国風文化はいつの時代?
国風文化とは、平安時代中期の文化です。
遣唐使の廃止などで、唐の影響が低下して、日本的なものが前面に出ています。
838年以降、遣唐使はなくなり、842年には、新羅との国交もなくなりました。
民間の貿易はありましたが、江戸時代以上に鎖国状態だったと行っても過言ではありません。
ただし、遣唐使の廃止が、文化の国風化の原因というわけではなく、
中国のマネをする時代が終わり、遣唐使の廃止が国風化を加速させたというのが正しいようです。
奈良時代の万葉仮名から、この時代になり仮名文字(ひらがな、カタカナ)が広く使われるようになりました。
ひらがなは空海、カタカナは吉備真備が作ったという説が、江戸時代には信じられていたそうですが、全くの俗説です。
『古今和歌集』の「仮名序」は、紀貫之が書いたとされ、ひらがなで書かれた初期の和文とされています。
天平文化と比較して、文学がさかんになりました。
かなにより、日本語を表記する方法が成熟したことが影響したのでしょうか。
和歌
古今和歌集(905年) 最初の勅撰和歌集
和漢朗詠集(1018年) 漢詩・漢文・和歌を集めた詩文集
物語
竹取物語(成立年不詳) かな文字で書かれた最古の物語
伊勢物語
うつほ物語
落窪物語
源氏物語
日記
土佐日記 紀貫之が女性を装ってひらがなで書いた日記文学
蜻蛉日記
和泉式部日記
紫式部日記
枕草子
更級日記
小右記 藤原実資の日記 全文が漢文
御堂関白記 藤原道長の日記
国風文化の書道
この時代に、書の世界に置いても、「和様」という様式が確立しました。
小野道風(894-966)、藤原佐理(943-998)、藤原行成(972-1027)の3人を三跡といいます。