紙は紀元前2世紀頃、中国で発明されたと言われ、発明者は不明です。
後漢時代の宦官、蔡倫(50年頃-121年頃)が、紙の発明者と言われることもありますが、
最近では、紙の実用性を上げた功労者とされています。
それでも、製紙法の歴史上、最重要人物であることは間違いありません。
蔡倫は、樹皮・麻クズ・破れた魚網などの廃棄物を使って紙を製造し、和帝(79-106)に献上したそうです。
宦官というと、後漢滅亡の原因を作った腐敗の象徴のように感じますが、
蔡倫は学問や工作を好み、尚方令という役職で、製造技術の監督をしていたようです。
コストの問題で、竹簡なども使われたでしょうが、
三国志の群雄などは、書簡のやりとりは紙で行ったかもしれませんね。
パピルスは紙ではない?
古代エジプトで発明されたパピルスは、英語の「paper」のもとになりましたが、厳密に言うと紙ではありません。
パピルスには、文字を書くことはできましたが、折り曲げに弱く、冊子にすることはできませんでした。
ということで、紙の発明者という栄誉は中国に輝きそうです。