鴨長明 方丈記
鴨長明(かも の ちょうめい、かも の ながあきら 1155-1216)は、京都生まれの歌人・随筆家です。
賀茂御祖神社(下鴨神社)の禰宜の家に生まれましたが、神職としては出世できず、出家します。この時代は神仏習合なので、細かいツッコミはやめましょう。
1212年に成立した『方丈記』は、日本三大随筆の一つです。
一丈(約3メートル)四方の庵に隠居したことからつけられました。
天災・飢饉に関する記述が、当時の一次史料としても活用されています。
1177年 安元の大火
1180年 治承の竜巻
1181-82年 養和の飢饉
1185年 元暦の地震
この時期、天災や飢饉により、何度も改元されています。
吉田兼好 徒然草
吉田兼好(よしだ けんこう 1283-1352)は、京都・吉田神社の神職の家柄です。
『徒然草』は、鎌倉時代末期の、1330年-31年頃にまとめられたとされています。
「つれづれなるまゝに~」で始まる序段は有名です。
執筆後100年ほどは注目されず、室町時代の正徹(しょうてつ 1381-1459)という僧が流行らせたようです。
阿仏尼 十六夜日記
阿仏尼(あぶつに 1222-1283)が、1279年、所領の訴訟のため、鎌倉に行ったときの紀行文が十六夜日記(いざよいにっき)です。
京都から鎌倉に下向する途中の東海道
鎌倉での滞在中
勝訴を願う長歌
という三部構成です。
ほかにも、『東関紀行』『海道記』など、京都と鎌倉の往来が活発な時代に、紀行文が作られ現代に伝わっています。
平家物語
保元の乱、平治の乱で栄華を極めた平家の没落と、武士の台頭などを描いた
「祇園精舎の鐘の声~」の書き出しが有名な軍記物語です。
作者は不明ですが、1240年以前の成立と考えられています。
琵琶法師により語り継がれてきた語り本系と、読み物として増補された読み本系という、主に2系統が存在します。
語り本は、琵琶法師が琵琶を弾きながら語る形式で、「平曲」といいます。
『保元物語』『平治物語』『承久記』と合わせて、「四部之合戦書」と言われています。
宇治拾遺物語
鎌倉時代前期に成立したとされる、説話物語集です。
「わらしべ長者」「雀の恩返し」「こぶとりじいさん」など
現代人でも知っているような説話も収められています。
どちらかというとエンタメ寄りで、教訓とか啓蒙という意味は薄いです。
新古今和歌集
鎌倉時代初期に編纂された、勅撰和歌集です。
後鳥羽院の命により、編纂されました。
1210年に一旦完成しましたが、後鳥羽院は承久の乱(1221年)の結果、隠岐に流されます。
晩年に一部をざっくり削除した「隠岐本」を撰者の藤原家隆(1158-1237)に送っています。
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