聖武天皇の時代
聖武天皇(701-756)は奈良時代の天皇で、45代目の天皇です。
42代目文武天皇の第一皇子(683-707)で、母は藤原不比等の娘、藤原宮子(?-754)です。
聖武天皇の在位は724年から749年の25年間で、在位の長い方の天皇です。
743年に発布された墾田永年私財法も、聖武天皇の在位中でした。
聖武天皇と遷都と大仏
旱魃や飢饉、737年に天然痘の大流行、740年に藤原広嗣の乱が起こるなど、社会不安が増した時代に、平城京から
恭仁京(くにきょう、現在の京都府木津川市)
→難波京(なにわきょう、現在の大阪市)
→紫香楽宮(しがらきのみや 現在の滋賀県甲賀市)→平城京と、
5年間で目まぐるしく遷都を繰り返しました。
また、社会不安の影響で、遷都以外にも仏教に深く帰依し、
741年に国分寺建立の詔を出し、各国に国分寺と国分尼寺を建てるように命じました。
平城京のある大和国では、東大寺を国分寺とし、さらに全国の区分時の中心である「総国分寺」と位置づけました。
743年に東大寺大仏建立の詔を出しています。
752年に、大仏の開眼法要を行いました。
一般的に、奈良の大仏と言われるもので、正式には「東大寺盧舎那仏像」(とうだいじるしゃなぶつぞう)、大仏殿は「金堂」といいます。
仏教の力で国家の安定を図る意図があったとされていますが、実際には貴族同士の争いが絶えず、大仏建立に民衆が動員されたため、民衆がより疲弊する結果になってしまったようです。